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BIMを使いきれていますか?

BIM導入済みの企業が直面している問題と解決のヒント

BIMとはBuilding Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称。この「Information」の部分にフォーカスした建設業界の新しい動きをご存じでしょうか。肝となるキーワードは「内装BIM」。すでにBIMを導入している企業が、そのメリットを活かしきるためのヒントをお届けします。

いま建設業界が抱えている課題と問題点

建設業界全体が抱えている問題のひとつとして挙げられるのが、建設技能者人口の低下。これまで同様の建設生産体制が維持できない恐れがあり、生産性向上が重要な課題です。働き手を確保することが困難な状況が続く中、従業員の働き方改革に取り組んでいる企業も多いことでしょう。

社会的な側面では、SDGsの意識が高まる昨今、「持続可能な産業発展・技術革新」「持続可能な生産・廃棄物の削減」「脱炭素化」の達成を大きく期待されている業界でもあります。環境保護や省エネなどへの積極的な取り組み、環境に配慮した設計や生産、サステイナブルデザインを求める声も避けて通れない状況ではないでしょうか。

生産性向上のためのキーワードのひとつが「フロントローディング」です。企画、設計、施工……あらゆるプロセスにおいて工程を前倒しにするために意思決定のスピードを速めることが必要。無駄なコストを省き、建設全般に関わる業務量を削減するフロントローディングの実現には、BIMを使いこなすことが不可欠になります。

「データベース」としてのBIMを使いきれているか

本当の意味でBIMを使いこなすとはどういうことでしょうか。注目すべきはBIMの「データ化」の部分。Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の「Information」の部分です。

そもそもBIMは、設計・施工から維持管理にいたるまで、建設に関わるさまざまなフェーズで、モデルに組み込まれた情報を活用するためのツールであり、生産性向上のために欠かせないソリューションです。

かつては設計図面を書くための道具としてBIMをとらえていた企業も多く、いかに図面を描く工程を効率化するかという部分に意識を置いて使われてきた背景が根強くあります。情報が蓄積されたBIMモデルは、CGパースの制作や干渉確認のための単なる3次元モデルだけではなく、設計・積算、生産、流通、施工管理、維持管理、見積もりや発注などコストに関わることまですべての工程で活用できるツールとなりえます。BIMモデルを作ることそのものではなく、モデルをデータベースとして使うという考え方にシフトする必要があります。BIMはデータベースそのもの。しかしながら施工、発注や支払いにまで活用できていない企業が多いのではないでしょうか。

BIMをデータベースとしてとらえることで、修正を加えた部分を見える化することができ、変更前後の比較も容易になります。クラウドストレージを活用すれば、関係者が同じBIMモデルを使ってオンライン上で確認、集計することも可能です。ワークフロー全体を見直す必要はありますが、常に最新の情報を共有しながら誰がどのレベルの作業までやるべきなのかが一目瞭然となります。
本当の意味でBIMを活用するためには、モデルに付随する情報の整備、取り扱い方が重要です。メールなどでのやり取りでは煩雑になりがちなBIMモデルをクラウド上で一括管理することで、各部門で常に最新のデータから必要となる情報を抽出して活用できます。こうしたワークフロー全体を最適化することで本来のメリットを得ることができます。

各所で起きているBIMの“断絶”

関係者をつなぐ基盤としてBIMをフル活用することが期待されている一方で、ひとつのBIMデータを最初から最後まで通して活用できている企業が少ないのが現実です。

例えば設計でBIMを導入しても、その後の各フェーズで別々のBIMを作成しなおすことでそれぞれのBIMが活かされないケース。あるいは工事会社がBIMに対応していないことで、BIMデータが活かされない場合も多く見受けられます。

このように、部門ごとの連携ができていないために、さまざまなフローで「BIMの断絶」が起きているのが現状。設計、生産、施工とすべての工程でこの“断絶”を感じている企業が多いようです。BIMを使う当初の目的は、業務の効率化や経費や手間の削減等であったはずが、こうした断絶が起きていることでかえってフローが複雑化してしまっているケースが少なくありません。

“断絶”を埋め、データベースとして活用するためには?

実施設計図だけでなく、施工詳細図の段階でもBIMを採用すれば、建材の管理、建設の現場で有効な情報となります。生産性向上のためには設計からフロントローディングで取り組む必要があり、そこを埋めるのが「施工BIM」です。そして、後回しにされがちな内装工事や建具工事といった施工フローにこそBIMデータを導入することで、BIMを活用する明確なバリューとなります。この「内装BIM」が断絶を解消する肝となるのです。

設計から施工、発注や見積もり・支払いに関わる部分までBIMを基盤にした仕組みづくりを追求したプラットフォームを活用するのがこの断絶を解消するヒントのひとつです。当社が提供している「BuildApp」は内装BIMにフォーカスし、BIMモデルを詳細化することで建設業界のBIM断絶問題を解決することを目指したソリューションです。BIMの「information」の部分に注視し、各工程の業務を無駄なく仕組化。BIMを使い切るためのノウハウが詰まったプラットフォームです。オンラインで各工程をつなぐことも重視した「BuildApp」の導入で、BIMの活用度が格段にアップするといえるでしょう。

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